海外のサーバに対する法律の適用範囲


以前に「出会い系サイト規制法に抵触しているので、インターネット異性紹介事業の届け出を出すか、サイトを閉鎖しなさい」という警告メールが届いた旨、コチラの記事で紹介しました。

 

届け出を出すべきかどうかについては、調べた結果私の出会い系サイトのビジネスモデルでは割にあわないことがわかりました(調査内容は、コチラで言及しています)

 

つまり、正攻法で考えると「サイトを閉鎖する」という選択肢を選ぶことになります。

 

ところが「正攻法」じゃなければ道はあるわけなので、そっちの方向でも考えることにしました。

 

いろいろなサービスを参考にする中で、アダルトサイトの運営をヒントに、「海外サーバを利用した出会い系サイト運用」を思いつきました。

 

アダルトアフィリエイトの世界でも「海外サーバは治外法権である」として、日本法ではアウトな画像を公開しているサイトは存在しています。

 

私の作った出会い系サイトが、海外サーバを利用することで法的な問題がクリアできるのであれば、「海外サーバの契約」と「サーバの移設作業」くらいなので、比較的容易に実現できそうです。

 

そこで、海外サーバを利用した出会い系サイト、および出会い系サイトのの運営が、法的に問題無いかどうかについて調査した内容を紹介したいと思います。

 

なぜ海外サーバは治外法権なのか

まず、海外サーバが治外法権と言われる理由については、以下の2点からです。

  • サーバーにあるデータ(コンテンツ)は、そのサーバーのある国の法律が適用される。
  • 日本からの情報開示依頼をサーバのある国が拒否するため。

 

前者が有名な理由ですね。アダルトサイトの運営に興味を持った人であれば、耳にしたことがあると思います。

有名なブログであるhatenaでも以下ように規約で謳っています。

 

第12条(準拠法及び管轄)

  1. 本規約の準拠法は、日本法であり、東京地方裁判所を専属的合意管轄裁判所とします。

    引用元:https://www.hatena.ne.jp/rule/rule

 

これは、日本の法律は属地主義にもとづいているため、日本国内で行われた行為についてのみ適用されることとなっているためです。(ただ例外はあり、日本人が海外で日本人を殺した場合などであれば、犯罪が行われたのが国外であっても国内法で裁くことは出来るそうです) 

 

後者については、昔から有名な例として、スイスの銀行はいかなる理由であっても情報を開示しない、がありますね。また、最近の事例だとFBIからのiPhoneのロック解除要請をApple社が拒否したことがあります。(詳細はコチラを参照)

 

 これら2点を要約すると、アメリカのレンタルサーバを利用すれば、アメリカ(アメリカの場合、国ではなく州の法律)に準拠することになり、仮に日本から情報開示依頼があったとしても拒否してもらえる可能性がある、ということになります。

 

これらが、海外サーバでのサイト運用が治外法権と解釈される理由になります。

 

ただ、調べていくと「海外サーバでのサイト運用が治外法権」という神話が崩壊していることもわかりました。

続いて、神話崩壊について述べてみます。

 

海外サーバを利用して逮捕された事例

みなさんの記憶にもあるかと思いますが、FC2のサーバでアダルト動画配信を行っていた管理者が逮捕されました。罪状は「公然わいせつ罪」です。

 

公然わいせつ罪は、wikipediaによると以下のとおりです。

 

公然とわいせつな行為をした者は、6ヶ月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する(刑法第174条。

  • 「公然」とは不特定または多数人が認識しうる状態を指す(最決昭和32年5月22日刑集11巻5号1526頁)。
    • ストリップ劇場のように密閉した空間で特定の客を相手になされたものである場合であっても、客は不特定多数の人から勧誘された結果であるので、公然性の要件を満たす(最決昭和31年3月6日裁集刑112号601頁)
  • インターネット上に、わいせつな動画等をダウンロードさせる行為はわいせつ物頒布等の罪を構成するが、リアルタイムのわいせつなショーを不特定多数のインターネット利用者に閲覧させる行為は、公然わいせつ罪を構成する(岡山地方裁判所平成12年6月30日判決)。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%8F%E3%81%84%E3%81%9B%E3%81%A4#.E5.85.AC.E7.84.B6.E3.82.8F.E3.81.84.E3.81.9B.E3.81.A4.E7.BD.AA

 

「インターネット上に、わいせつな動画等をダウンロードさせる〜」の部分は、完全にFC2の事件のことを指しており、判例として取り上げられるほどの社会的なインパクトがあったことがわかります。

 

ちょっとそれてしまったので話を「海外サーバを利用したコンテンツ配信だったのになぜ逮捕されたのか」に戻します。

 

FC2のサーバはアメリカのカリフォルニア(ロサンゼルス州の最大都市)に存在していたので、先に挙げた神話のとおり日本法の適用範囲外となるはずです。

 

FC2レンタルサーバーのデータセンターは 米国ロサンゼルスの中心にあります。 高度な空調設備を有し、サーバーにとって最適な環境が保たれています。 また万一の停電に備え、無停電電源装置(UPS)・バックアップ発電機などの電源システムを完備しています。 サーバーは24時間365日体制で有人監視されており、入退室管理にバイオメトリクス掌形認証を使用するなど高いセキュリティが確保されています。

引用元:http://help.fc2.com/rentalserver/tos/ja#service_rentalserver

 

一体なぜでしょうか?

 

実は、サイトの管理者・運営者の行為に関しては、住んでいる国の法律が適用されることになります。

 

 

つまり、FC2の事件は「日本で性行為を行い、配信を行った」ことが違法であるとみなされたわけです。

 

さらに、今ではもうちょっと解釈が進んでおり、

 

海外のサーバーであっても、違法なコンテンツを「国内から」アップロードすれば違法行為となるという裁判の判決も出ています。

 

これは「わいせつ物頒布等の罪」と言われ、例えば、海外サーバを利用し日本から無修正動画を配信していた場合に適用されます。

 

結論

上記から、たとえ海外サーバを利用したとしても、サイトに投稿する人は日本国内ですし、それを閲覧する人も日本国内となる以上、「管理者・利用者問わず、日本国内から海外にあるサーバに対して、操作を行っている」事になります。

 

これは、日本国内の法律が適用されることを意味しており、つまり「出会い系サイトとしての届け出が必要」ということになります。

 

私が法的にゆるい国にに移住し、サイトの言語を変更すれば、状況は打開できる可能性は大いにありますが、残念ながらその予定はありません。

 

よって、

 

海外サーバを利用した出会い系サイト運用は意味がない

 

ということになり、私のアイデアはめでたくボツとなりました。。。

 

最後に

この他に、警察からの警告に対して、簡単に対処するアイデアは思いつきませんでした。。。

 

つまり、手をかけずに今のまま出会い系サイトを運用していくことは厳しいということになります。

 

う〜ん

think 

ここらが潮時かも、、、

 

ということで、サイト閉鎖に向けて準備をはじめました。。。

 

サイト閉鎖については、コチラの記事で紹介していますので、ここまで読み進めていた方は、是非ご覧いただければと思います。

 

出会い系サイトのビジネスに興味がある方

このような記事が提供できるのは、私が出会い系サイトを運営しているからに他ならないわけですが、訳あって出会い系サイトは現在閉鎖しています。

 

もし出会い系サイトの構築・運営に興味がある方は、以下の記事もご覧いただければ幸いです。

 

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警察からの警告 出会い系サイト規制法に抵触している恐れ

出会い系サイト事業の届け出をするメリット・デメリット

海外のサーバに対する法律の適用範囲

終わりに 出会い系サイトの閉鎖

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